夫と新婚旅行でイタリアに行きました。当初はヨーロッパの多くの国を巡るツアーを探していたのですが、金額と内容が見合うプランが見つからなかったこと、また、国の数を増やしてしまうと移動ばかりに時間がとられ、ゆったりと観光できる余裕がほとんどなくなってしまうことから、一番行きたかったイタリアに限定し、探しなおしました。北部から南部までの名所をたくさん巡ることのできるプランが見つかったため、申し込みを行いました。
イタリアの北東部に位置する水の都ヴェネチアは、ゴンドラやステンドグラスなど、幻想的で華やかな街並みで最も強く印象に残りました。フィレンツェは140年をかけてつくられた大聖堂ドゥオモを中心に街全体が芸術品と感じられるような美しさがありました。フィレンツェの南に位置するシエナは、田舎の町並みの中に大聖堂があり、歴史を見事に感じさせてくれる町でした。

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地図の長靴のかかとの部分にあたるマテーラは洞窟型の住居が数多く残り、幻想的な雰囲気がありました。同じく南部にあるアルベロベッロは三角形のとんがり屋根が可愛い建物がたくさん立ち並ぶ印象的な街でした。オプショナルツアーでは青の洞窟内に入ることができ、夢のような一時を過ごすことができました。食事は各地のレストランで、パスタやじゃがいもを中心とした料理とティラミスやアイスクリームのデザートが多く提供されました。

とにかくひとつひとつの都市に特徴があり、歴史の深さに圧倒されたながらもそこを行きかう人々のおしゃれなたたずまいに憧れをいだきました。イメージどおり、イタリアの男性は積極的でかつユーモアに溢れており、いわゆるチャラさはあるものの、決して不快な思いをすることはなく、現地のコミュニケーションを楽しむことができました。大都市ローマからポンペイ遺跡までこれでもかというほど深いイタリアの魅力を感じることのできるコースは最高でしたが、いかんせん料金がリーズナブルであったため、そのツケが食事に回ってきてしまっていた印象がありました。

どこの地方に言っても似たような料理ばかりが提供され、味も正直美味しいと言えるものはほとんどありませんでした。ガイドの方がしきりに一番の目玉はイカ墨パスタなのでその日は皆さん黒い服を着てくるようにとおっしゃっていたのですが、当日目の前に出てきたのはおそらく途中でイカ墨が足りなくなってしまったのだと思われるほど中途半端な味付けと色のパスタで、結果、一番黒かったのはツアーに参加されている方々の服だったというオチがつきました。

ほとんどがバスでの長時間移動だったため、寝ていれば楽なのですが、寝られない時間は非常に退屈で苦痛でした。硬いシートで、幅も広くなく、腰が痛くなったり肩がこってしまったりなど、体調を維持することが大変でした。また、海岸線沿いの山道を走る箇所がいくつかあるのですが、道がせまい上に対向車とかなりのスピードですれちがったり、道から落ちてしまったら生存はほぼ絶望的な状況であったことから、心配で落ち着いて寝られない時間帯が何度もありました。

困ったのはお土産選びで、ショッピングするための時間は確保されていたものの、おそらくツアー会社のビジネス上の都合で高級店ばかりに入らされ、地元に密着したお店で手ごろな価格で買えるような時間がほとんどありませんでした。失敗体験は、露天で大量に買った扇子の中に壊れているような不良品がたくさんあったにも関わらず交換してもらえなかったことや、道端で声をかけられ立ち止まってしまったところ、腕にミサンガのようなものを括り付けられ、一方的にお金を要求されたことなどがありました。もう少し用心すべきでした。